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評価:7/10  アメリカ映画界パワーの恩恵を受けた、ハイレベルな「日本映画」

 映画館で見て、DVDでも再観賞しての感想です。

 この映画を見てまず驚くのは、良い意味で日本映画にしか見えないことです。

 演じているのが日本の俳優中心で、英語や変な日本語が出てこないという事のみならず、ストーリー展開なども、日本の戦争映画として全く違和感がありません。
 イーストウウッド監督などはどれだけリサーチをしたのかとか、実際の撮影進行の詳細はどうなっていたのかとか、非常に興味があります。
 これにアメリカ映画の予算、規模、撮影技術、演出力などが加わるのですから、いわばアメリカ映画界の力で強化された日本映画といえます。
 さらにいえば、アメリカで作られたために、作中人物が「天皇陛下万歳」とか「陛下のために」と普通に発言しています。日本で作ると時代考証としてはやらないとおかしいのに、各方面に気兼ねしてやりにくいことができています。

 ただ、日本映画として違和感が無いというのは、この映画の弱いところでもあります。
 ストーリーは、不本意に徴兵された一介の兵士西郷(二宮和也)と、司令官の栗林中将(渡辺謙)の二人の視点を中心に、負けが確定している戦いをしなければならない苦悩、日本軍の悪弊である過剰な精神主義や特攻自決主義(栗林、西郷ともに、それに批判的)、 本土に残してきた家族への思いなどが描かれ、硫黄島の陥落で終わるという物。典型的な日本の戦争映画。ただし、物凄くハイレベルですが。
 そのため、特徴的な構成や着目点の兄弟作「父親たちの星条旗」と比べて、印象が弱かったです。
 だた、複雑な構成の「父親たちの星条旗」に対して、素直な展開になっている分、わかりやすさでこちらを支持する人も多いようです。このあたりは一長一短でしょうか。

 しかしこの映画はストーリーラインは、日本の戦争映画を踏まえながら、他の映画も含めて、冒険的な事をしています。
 通常映画やその他のストーリーテリングは、観客を展開にスムーズに乗せるために、作中に二つの集団が存在する場合、一方は「善、寛容」、もう一方は「悪、残忍、醜悪」と演出して、感情移入の対象を区別します。ところがこの映画は、日本軍もアメリカ軍もメインキャラ以外は、そうした統一が意図的にされていません。その場の状況や気分、個人ごとの性格によって、捕虜を虐殺するような残忍さを発揮したり、逆に手厚く保護するような寛容さを発揮したりします。そのことによって、戦争の現実を描いています。
 そうした事が最もあらわれているのが、ラスト直前。アメリカ兵は闇雲に暴れまわる西郷を、ころすのではなく取り押さえて捕虜として保護しようとします。しかし西郷が暴れた原因は、そのアメリカ兵が戦利品として、戦友の大事な遺品を笑いながら自分のものにした事。物事の複雑性が描かれています。


 それと、危うく西郷も巻き込まれそうになる、明らかに理不尽な(栗林は今後の戦闘継続のために撤退しろと命令したのに、しようとする)自決の描写も、極限状態での群集心理を上手く描いています。現代でも集団自殺の心理として存在することです。西郷も、栗林到着時に出会い、たまたま通信で栗林の命令を直接立ち聞きしていなければ、この群集心理にまきこまれていたのでしょうか。
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