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評価:6/10

あらすじ---------------
 地球に、大きさは地球の3/4で質量は6000倍以上という超重力の遊星「ゴラス」が接近。
 それに対し世界は団結して、南極に巨大な核融合ロケット施設を設けて地球を40万Km(地球・月間の距離以上)移動させることによって、それを回避しようとする。



 全体的なトーンとしては、当時の高度経済成長の雰囲気が多々感じられます。

 南極に巨大な核融合ロケット設備を建設して、地球の軌道を40万km移動させるという難事業にも、いくつも障害がありながららも、皆ひたすらに前向き。市民もあまりパニックをおこしません。
 若い宇宙飛行士たちも、チームで歌をうたいながらヘリを乗り回したり、飛行中止と勘違いして長官のところに勢いに任せて怒鳴り込んだりなど、エネルギッシュな若手技師や社員のような雰囲気で描かれています。


 ストーリーも、市民などのパニックよりも、設備建設をする科学者たちや、ゴラス観測をする宇宙飛行士、そして地球移動計画の進展状況などが中心で、大型建設事業のようなストーリーになっています。
 理解が遅い政府、各国の足並みをそろえる苦労、長官が関係省庁を毎日まわる、施設規模を完全に整えたくても予算が足りないなど、現実の事業にあるような要素が、流れを阻害しない程度に、いろいろと描写されています。


 「南極で巨大ロケットを噴射して地球を40万km動かす」という明らかな法螺話を、映画としてもっともらしく見せるため、細部描写に気を使っているのも注目点です。
 前記の、現実味のある大事業に伴う様々な問題の描写もそうです。さらに科学関連の描写も極力現実味を演出するようにしています。
 たとえば地球を動かすための推力と加速度の計算。これは専門家の協力を得て、正確な計算式と数字を出してもらい、会議シーンの黒板に書かれた、推力とか速度を表す膨大な数式も、その先生に実際に意味のあるものを書いてもらったという力の入れようです。他にも、ロケットの動力源について「海水から組み上げた重水素と三重水素を使う」という現実的な核融合の説明がされていたり、ロケットノズルの形状と効率の関係についても現実的な説明をしていたり、他にも色々とこっています。
 もちろん「1962年製作だから地球を動かすという無茶も多目に見る」という事もありますが。


 ただ、話の進み方が淡白という感は否めません。
 また、アメリカ映画を中心に、天体災害ものや、現実的な宇宙物、自然災害物(「ゴラス」では最接近時の重力の影響で洪水がおこる)は、「ゴラス」以後から現在まで多数作られているので、今見るとどうしても「1962年製作にしては......」ということになります。
 ただし、パノラマ的な巨大なミニチュアセットの数々は、古典ならではの味で独自の迫力があります。特に南極施設の建設シーンは、巨大で緻密なミニチュアセットを時間をかけてパンさせて映していて、あの当時ならではの味の迫力が出ています。このあたり、DVDの家庭鑑賞では無く、映画館で見たい物です。

脅威のミニチュアワーク
gora3.jpg


写真2枚目:
左上:今では「ゴラス」よりその後の「ウルトラマン」の方がずっとメジャーなので、宇宙飛行士チームは、主役の久保明より、二番手の二瓶正也(イデ隊員)の方に目が行ってしまいます。それと出発前のパーティで一緒に飲んでいるのは天本英世。
左下:危機状況を作るために、唐突にでてきて、施設を壊してすぐ対峙されて、その違和感でこの映画の評価をいささか下げている、怪獣マグマ。この後「ウルトラQ」にトドラとして流用。
右上:地球移動計画には直接関わりませんが、年長者としてふるまっている科学者役の志村喬。どの分野の科学者かとおもったらマグマの分析に呼び出されて生態を分析したり、退治直前には「惜しい」といったり。......山根博士?(初代「ゴジラ」)
右下:マグマ攻撃をするVTOL機。後の「ウルトラマン」にジェットビートルとして流用されてこちらのほうが有名に。
gora4.jpg


写真3枚目:
上:土星の輪を超重力で飲み込むゴラス
下:地球に最接近したゴラスと、南極のロケット推力で距離を引き離しつづける地球
gora5.jpg

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コメント

力作…、そういう感じですね

 owainさん、こんにちは。
 うちのコメント欄にてお教えいただいて、ありがとうございました。

 この作品もお教えいただくまで全く知らなかったわけですが、感想も、とても興味深く読ませていただきました。
 実際観ればやはり古さは感じるのではとは思いますが、なかなかの力作と思えます。

 いくつか、ピックアップしてみます。


>推力とか速度を表す膨大な数式も、その先生に実際に
>意味のあるものを書いてもらった
 SFは、こういったところに手を抜くと急激にリアリティが失われ、価値が下がってしまう気がします。
 大嘘こそ大真面目に。これは重要ですよね。

>巨大なミニチュアセット
 写真で見る限り、かなり精密に作られているみたいですね。手抜き無し、という感じがいいです。

>怪獣マグマ
 あ、あれ!? …という感じです。
 基本プロットに何の関係もない障害で、つまりはある意味自然災害と同列ということになります。
 だったらリアリティを低下させる怪獣より、もっともらしい自然災害でもでっち上げた方が良かったのでは、と感じました。

>土星の輪を超重力で飲み込むゴラス
 これは、私が見てみたいシーンの上位に入りそうです。

同時収録のコメント音声などによると、怪獣は元々出す予定が無かったのが、それでは売りが弱いという事で、プロデューサーの田中氏の判断で撮影前に急遽追加されたそうです。本多、円谷量監督は渋ったそうですが、なにしろ、観客的(特に年少層)には特撮物=怪獣というイメージがあったので。
ただ同時期の「地球防衛軍」だと、怪獣に相当するモゲラは、宇宙人の兵器の一つのロボットとして自然に出せたのですが、ゴラスではやはり浮いています。

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